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病院の受診が必要な時

2014/01/19

久しぶりにブログの更新になってしまいました。

その間に、しつこい咳症状を引きずっておりました。

きっかは年始に娘(2歳)からもらった風邪です。

ただいま流行中の感冒は、喉の腫れも熱も出ないのですが、咳がつきやすく、その咳がしつこいタイプのようです。

その咳がおそらく年始の営業を開始したあたりから、アレルギー性に変わってきたようで、日中咳が全くというほど出ないのに、薬局を閉店した途端に「コホン」と始まり、一番ひどいのが寝てから一晩中続く夜間の咳でした。この咳のおかげで夜ほとんど眠れない日が続きました。

娘から風邪をもらった時から漢方薬でのケアはきっちりしておりました。

風邪をひいた当初は喉の痛みがありましたので、喉に侵入された風熱(ふうねつ)型の風邪を追い出す力がある『天津感冒片(てんしんかんぼうへん)』。

咳がついてからは、『麻杏止咳顆粒(まきょうしがいかりゅう)』に切り替えました。こちらの漢方薬は、風邪が喉でとまらずに肺にまで到達することで、肺の活動を乱し、症状としては、咳とともに黄色い痰が出る際に合います。風邪による肺の炎症を急いで沈める漢方薬です。

痰の量が落ち着きますと、粘っこくなり、なかなか出しにくい痰に変わります。その痰を出したいがために咳が誘発されます。

私もそうような痰(それでも黄色っぽい)と咳に変わってきたため、気管支を潤して痰を出しやすくする漢方薬に切り替えました。それが『清肺湯(せいはいとう)』という漢方薬です。またこちらに切り替えたもう1つの理由として『麻杏止咳顆粒』に含まれる生薬”麻黄(まおう)”は、長期(1週間以上)に服用しますと胃に負担を感じる場合があります。私は胃が丈夫な方ではない自覚がありますので、肺にこもりそうになった熱は『麻杏止咳顆粒』で充分とれましたので、咳と痰を沈める別の方法(潤して咳と痰をとる方法)に切り替えた訳です。

その後に最初にお話しました、夜間だけの咳に変わってきて、この時点では痰はほとんど出ておりませんでした。

“夜間だけに限定する咳”を漢方では、“肺の陰液(いんえき)が傷ついた”と考えます。陰液(いんえき)とは内臓を潤している濃い液体を指す漢方用語です。肺は内臓の中で唯一、呼吸を通して外気と直接接触する内臓です。(胃袋も外からの食事が直接はいる内臓ですが、漢方では消化器系の内臓は六腑(ろっぷ)と呼び、肺・腎・肝・心・脾を五臓と呼び、五臓は六腑より生命を維持する上でより重要な内臓と考えます)風邪をひき、咳が酷くなることで、肺にある潤いが咳を通して外界に出されてしまいます。その潤いを取り戻す力が弱くなると、空咳となり、また陰の時間帯である夜(陰陽の陽の時間帯は太陽が出ている日中です)に症状が出やすくなる、と考えます。

その場合、『清肺湯』では潤いを取り戻す力が弱いため、『滋陰降火湯(じいんこうかとう)』という肺を潤す力が強い漢方薬に切り替えました。

このように、症状の進行に応じて丁寧に漢方薬の切り替えと服用をしておりましたが、それでも夜間のみの咳が治まる気配がなく、といって日中は仕薬局におりますので身体を充分休めることが出来ません。

ここで心配したのが、私は元々アレルギー体質があり、アトピー性皮膚炎を持っております。幸い皮膚炎は今は症状が出ておりませんが、産後咳が残った時がありまして、その時受診した呼吸器科クリニックでアレルギー性の咳だと診断を受けたことを思い出しました。(血液検査をしますと“IgE”というアレルギー症状が強い時に出る数値が高値になって出ますので、診断がなされます)

もし、またアレルギー性の咳になっているとすると早くその症状を落ち着かせなければ、喘息を起こすであろうことが予測できました。

これは緊急事態です。

漢方薬は風邪の初期手当や慢性症状を改善することは得意ですが、緊急事態に向いている治療法ではありません。

喘息に進んでしまうと、肺の病気に留まらず漢方では深い呼吸に関係する“腎臓”にまで病が進むと考えますので、漢方での治療も難しくなってきます。

まずは、検査をしてもらうために、呼吸器科クリニックの受診を決めました。

同時に受診(薬局の定休日)までまだ数日ありましたので、咳が続く肺をこれ以上疲れさせない対応が必要と考えました。漢方では先程の深い呼吸は腎臓が行うという考え方があり、その治療原則を“納気平喘(のうきへいぜん)”と言います。具体的に用いた漢方は“冬虫夏草(とうちゅうかそう)”という生薬(稀少な生薬のため高価です)が入った『青海冬夏泉(せいかとうかせん)』というドリンク状になったものを服用しました。(日本では冬虫夏草は医薬品ではなく健康食品の分類になっておりますので、正確には漢方“薬”ではありません)

青海冬写真

月曜の夜から2本ずつ二晩飲みました。

そうしますと受診日の前の晩には咳がほとんど出ることなく眠ることが出来ました。

ですが、検査は大事です。予定通り水曜日、呼吸器科クリニックを受診して、肺のレントゲン撮影と診察を受けました。ひどかった夜中の咳が一昨日までは続いていましたが、昨晩からその咳が落ち着いてはきたこと、また一年前にはIgE高値によるアレルギー性の咳の診断を受けたことがあることを医師に説明しました。聴診器を当てた呼吸音の確認もしてもらい、医師は「レントゲンの肺もきれいですし、呼吸音も問題ないですね」とのことでした。でも、「喘息かな〜」と最後につぶやかれておりました。

検査では問題ありませんでしたが、咳の状態からすると喘息っぽいな、と思われたのだと思います。ですが、喘息の診断を下す症状が今現在はないので、「かな〜」で止まったのだと思います。医師からは一週間分の気管支拡張薬とともに気管支の粘膜を落ち着かせる(喘息予防でもあります)吸入剤を処方して頂きました。そして次回アレルギーの原因を調べてはどうですか?と勧めて頂きましたので、この機会に調べてもらうことにしました。

処方されたお薬↓

エアーと内服

気管支を広げる錠剤は、夕食後一錠。吸入剤は一日二回、一回2吸入です。

まじめに服用しております。

呼吸器科の薬を服用しながら『青海冬夏泉』も夜のみ併用していますと、夜の咳は引き続き治まったままでよく眠れております。

眠れると体力も回復しますので、より全身の回復も早まっています。

 

ちなみにただいま冬期間にベースに服用している漢方薬はこちらです。

ベース薬

黒い瓶は『瓊玉膏(けいぎょくこう)』:婦人科対策で血液の製造を助けホルモンバランスと整えます。

『麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)』は気を補給する漢方薬です。除雪が続くシーズンですので、体力を常に蓄えております。

こちらの『麦味参顆粒』は肺を強化することも出来ます。冬対策として服用していた漢方薬ですが、今回の咳を沈める一助にもなっていたと思います。

そんなことをしていた約2週間でした。

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