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ほてって眠れない 【漢方相談症例 更年期障害】

49歳女性。

熟睡出来ない日が一週間ほど続いたあと、昼夜関係なく突然からだがほてり、上半身から汗が吹き出すようになった。汗をかいたあとは、だるくて身体が冷えて寒くなる。夜中も寝てから1時間後あたりから1時間置きに2〜3回目が覚め、汗が出る。眠れないこともあり日中の家事の1つ1つが辛い。

漢方的分析

ホットフラッシュと呼ばれる突然の発汗は、女性ホルモンが急激に減少する更年期と言われる時期に女性に起こりやすい特徴的な症状です。女性ホルモンと生理の関係は深いため、生理のことを確認しますと、発汗が始まる前の月の生理が通常と比較して出血期間が長く(通常5日間→10日間)、出血量も多かったとのこと。漢方では特に更年期の時期に生理の量が多くなる場合は、血液より濃い成分と考える“陰血(いんけつ)”が失われる、と考えます。健康と病気を漢方では“陰陽のバランスが良い”“陰陽のバランスを失っている”と表現しますが、この方の場合も更年期に入ったある月の生理の出血量が多かったために、陰陽のバランスが崩れ、身体が熱っぽい体質(陰<陽に傾く状態)となり、身体の中から蒸されたようにほてりや多汗の症状が出てきたと考えました。

また、夜は陰の時間帯と考えますが、この方は陰が足りなくなっている状態ですから、何度も目が覚めてしまうことも理解できました。

使用した漢方薬

知柏地黄丸・酸棗仁湯・杞菊地黄丸・二至丹

経過

2週間服用頂いたところ、汗の出方は同じだが、だるさが少しずつ緩和し、家事が出来るようになってきたとのこと。夜中に目が覚める回数は同じ。眠る力をつける漢方薬を追加し、また3週間様子をみて頂く。

ほてりと汗の量がひいてきた感じがしてきた。入浴後は汗が出やすいのは同じ。

汗を沈める力を増強したものを3週間服用後、夜中の目覚めが朝方4時台の一回になり、日中も日によってほてりや汗が気にならない日が出てきたとのこと。

継続して服用中です。

コメント

この方が最初来店された時、本当に精魂尽きたような状況でしたので、少しずつ体調が変わり、笑顔がみられるようになってきた時に、やっと私も少し安心しました。

更年期(49〜56歳)は漢方でも身体が大きく変わる年代と考えます。

その時期に、自分の身体のことだけ考えられる女性は少ないと思います。

子供が思春期〜受験の年代にあたり子育てや子供とのコミュニケーションで悩みが増える時期、ご両親の介護の心配が出てくる時期、ご夫婦の関係など。

体調が思わしくないと、ただでさえ抱えている問題が多い時に上手く対処することが出来ません。体調が少しでも安定していると、無理しない範囲で家族や周りをサポートできると思います。

更年期障害が強くでる方の場合、漢方薬を使っても症状を0にすることは出来ませんが、緩和させることは可能です。穏やかな更年期の時期を過ごせるよう、上手に漢方の考え方を利用して頂きたいと感じた症例でした。

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漢方薬局 いちやく草
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