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穀雨の本日、春の養生生活講座開催しました

2014/04/20

皆様、こんにちは。

今日の札幌は、比較的風が穏やかな一日でした。

いちやく草では、春の養生生活講座を午後開催致しました。

4名のお客様がご参加下さり、ありがとうございました。

養生春1

講座の正式な題名は『中国最古の医学書:黄帝内経にまなぶ 〜春の養生生活講座〜』でした。講座レジメ

『黄帝内経(こうていだいけい)』は紀元前20年代(後漢の時代)には編纂が出来上がっていたと考えられていますが、原書は残っておらず、原書を読んだであろう方の注釈文(要旨の解説)から原書の存在が分かりました。その注釈本ですら残っているものが少なく、現存する一番古くて信頼のあるものは、唐時代に王ひょうという人が書いた『補注黄帝内経素問』だと考えられています。

黄帝内経は中国医学の理論を書いてあるものですが、その中にいわゆる“季節における養生”についての記述があります。

春の養生は、“発陳(はっちん)”とあります。簡単に言いますと、春は身も心ものびのびさせた方がいいですよ、ということです。

もう少し具体的な記載があります。

束ねている髪をバサバサと振りほどいて、着ている服も軽くして、春の陽気をあびて散歩をしましょう、とあります。

今日の札幌の天気でしたらいざ知らず、昨日までの寒風ふきすさぶ中散歩をしましたら即風邪をひいてしまうと思うのです。

黄帝内経には、春の養生とあるけれど、私たちが今これを本当に実行していいものかどうか、悩んでしまいますよね。

春の養生法の最後に、“春の養生の道に逆らったことをすると、夏に体調が悪くなります”と書かれていました。

次の季節のことが書かれているのであれば、冬の養生の箇所に春のことが書かれているのではないかと考え、冬の養生を受講の皆様とひも解きました。

ありました!

冬は一言、春の発陳に対して“閉蔵(へいぞう)”と書かれています。家の宝がしまわれている蔵を閉めなさい、と書いてあるわけです。

具体的な養生は、何もしてはいけない、と書かれています。身体を動かすだけではなく精神活動すら、活発にしてはいけないとあります。

養生ではなく、冬は“養蔵の道”とあり、この“養蔵の道”に反することをすれば、春に体調が悪くなる、と書かれてありました。

ここで分かりますことは、札幌の場合には、春の養生はまだ早いのです。冬の養生の続きの方が大事なのだと分かってきました。

 

もう1つの春の養生の手がかりを二十四節気に求めてみました。

本日は『穀雨』ですが、暦便覧には 春雨降りて 百穀を生化すれば也 とあります。田植えの目安になる日になります。

穀雨は二十四節気の1つで、二十四節気とは昔の中国にて太陽の動きに合わせて考えられた暦で一年を24に分けて考えます。

受講の皆様と一年のスタートになる『立春』から暦便覧を『穀雨』まで読んでみました。

すると、土の中のまた地表の変化がわかりました。

立春は春の気が動き出し、地上に気があがるようになるので、雪がとけてくる(雨水)。⇨地中に充満した気により虫達が動きだし(啓蟄)、昼夜等分になった(春分)あとには植物が芽を出し始める(清明)。⇨そして穀雨がきます。

ここで閉蔵を思い出しました。動き出す虫達や一気に芽吹く植物は、その前に地中でじっとしてからこそ、地中の気を受けて動き出すことが許されるのではないかと。

私たち人間は冬の間、じっと出来ましたでしょうか?

閉蔵出来ましたでしょうか?

冬眠出来る訳ではありませんので、出来ません。

だとすれば、現実的になかなか出来ない冬の養生を意識しつつ、春の迎え方を考えるのが正しい北海道の養生の道ではないのでしょうか。

受講生の皆様に今、体調に不安をお持ちでないか、伺いました。

「この時期の方が冬より寒く感じることがあります」、 「肩こり・目の疲れや頭痛を一年通して感じます」

どちらも今日の養生のお話に通じる体調です。

今の時期の方が寒く感じますのは、春の気である“風”が活発な時期なので、風邪(ふうじゃ)を身体が感じているからだと思われました。

風邪の特徴は、身体の中に入り込む力があることです。

もし春になったと思って薄着をして外出しますと、強風を受けた時に風邪に入り込まれます。その日の風が冷たければ、寒邪(かんじゃ)も一緒に身体に入り込まれます。そうしますと、冬より気温が上がっていても寒く感じることになります。

また、身体の表面には、“衛気(えいき)”というバリアがあり外敵から身体の表面を護っていると漢方では考えるのですが、この“衛気(えいき)”が足りない方も風邪(ふうじゃ)の影響を受けやすくなります。

“肩こり”“目の疲れ”“頭痛”は、いづれも肝臓に元気がないと起こりやすいと漢方では考えます。共通しているのは、周囲の筋肉がこわばっていたり、押すと痛かったり、張ったりしていることです。

肝臓は漢方では血液の貯蔵庫、と考えられており、血液の貯蓄率が低くなると肝臓の管理部位である“筋肉”に充分な血液を分配出来なくなるために、筋肉が弱くなります。弱くなった筋肉はなかなか筋肉疲労が回復しません。目の周囲であれば、眼精疲労や頭痛が発生し、肩は慢性的肩こりになります。

この場合のおすすめケアは、こわばった筋肉をほぐすことです。入浴やホットタオルで温めて、こわばって冷えている筋肉をほぐすことが大事です。もんでしまうと筋肉の細かい繊維が傷んでしまうことがありますので、ほぐすことが大事です。ほぐれましたら、優しくもんでも大丈夫です。そして更に大事なことは筋肉に充分な血液が送れるよう、身体全身の血液量を増やすことです。血液を増やすには、血液の原料になる“タンパク質”を意識したお食事です。肉・魚・卵などを出来れば三度の食事に少しずつ入れて頂きたいです。

今時期の方が冷えて寒いと訴えられた受講者の方には、“衛気(えいき)”を補強してくれる薬草が入っている薬茶をおすすめしました。

その薬茶とは、本日講座のために特別にブレンドした養生薬茶です。

春プレゼント

オウギ・よもぎ・桂皮・ハッカ・杜仲茶が ブレンドされています。

こちらの薬茶は、沸騰した直後と、そこから数分煮出した二回目で違う香りと味がお楽しみ頂ける薬茶です。

養生茶春1

こちらが沸騰直後の薬茶。オウギの甘い香りが濃厚です。

養生茶春2

こちらが沸騰から数分のちの薬茶です。よもぎの香りが先にして、その後ハッカの清涼感がお口に広がります。

この薬茶の中のオウギに先程の“衛気”という身体のバリア機能を高める力があります。

本日の春の養生薬茶のコンセプトは、まだまだ寒さが続く北海道で冷えている身体を芯から温め、風が強い日でも風邪の影響を受けないようバリア機能を高め、尚かつ身体の中の気の流れはハッカで整える、です。

ちょうど本日受講された方の体調にマッチして、大変喜んで頂けました。

受講頂きました方に養生薬茶をプレゼントしました。ご自宅にて、また職場でもお楽しみ頂けたらと思います。

長くなりましたが、本日の講座のご紹介でした。

次回は夏に開催致します。

 

 

 

 

 

 

 

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