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啓蟄(けいちつ)、養生スープ生活その3:森のスープ

2014/03/06

本日3月6日は二十四節気の『啓蟄(けいちつ)』に当たります。

“陽気地中にうごき ちぢまる虫 穴をひらき出れば也”(暦便覧)

冬の間、植物は地上にのびる葉や枝を秋に落とし、養分を使わないように、息をひそめます。 ですが、地中では春に向けて根や球根に養分を蓄え、雪が融けて地中の温度があがる日をじっと待ちます。 地中ではまた、動物や虫達も息をひそめています。熊のように冬眠をしたり、虫達は卵や蛹の形で。そして地中の温度がかわる日を辛抱強くじっと待っています。 今日はその中でも、一番身体の小さい虫達が地中の温度の変化を敏感に感じとり、活動を始める日です。

準備万端な彼ら(虫達)は、自然の掟にさからわず、冬の間にエネルギーを温存したからこそ、地中が動ける温度に達した時に、活動をスタートできます。

私たち人間はどうでしょうか? 冬の間、冬眠のように、蛹のように、じっとしていられましたでしょうか? いえいえ、なかなか出来ません。 寒かろうと、吹雪こうと仕事や家事がありますし、雪のある北海道では、除雪もあります。 確かに先週、札幌は日中プラスになる温かい日が1週間ほど続きました。今度は除雪から雪だし、氷割りです。今日も時折吹雪の予報です。 冬の間も、栄養やエネルギーの温存どころか、消耗の方が却って多くなります。 その身体で、春がまさに到来した時に、啓蟄の虫のように活動が出来るのでしょうか?   写真 (13) 娘用の絵本「ムーミンのともだち」に中にこんなシーンがあります。 秋の森にお花を探しにいったムーミンとスノークのおじょうさん(=フローレン)は、蛹を見つけます。冬になったら雪がかぶってしまうと心配に思った二人は、蛹を自宅に持ち帰ろうとします。

そこへミイがやってきます。 「あなたたち、なにをしているのさ」 ミイは言います。蛹は一人で寒さの中で耐えることが大事なのだと。 そうじゃないと、春になった時、強い蝶になれない。 余計なことをしたら、この蛹はしぬことになるよ、と。

2/19『雨水』のブログにて冬の養生についてご説明しましたが、冬の長い北欧で作者:トーベ・ヤンソンさんがおっしゃっていることも、同じだなと、思いました。 漢方の教えでは、冬は閉臓の季節なので出来るだけじっとしていなさい、と言います。 それがなぜ大事なのでしょうか。 ムーミンも自然界も教えてくれています。 冬の間に使うエネルギーは、寒さから身を守るためと、命をつなぐためだけ。それ以外は出来るだけ使わないようにする。春になって蛹が羽化するために、人間は身体をのびのびさせるために、一気にたくさんのエネルギーが必要になる。その分のエネルギーを冬の間に寒さに耐えつつ、温存しておかないと、春が来た時死んでしまう(羽化が失敗する)ことがあるんだよ、と。

私たちは冬を克服して、一年中同じ生活が出来ると思っています。 ですが、春に体調が悪くなること多いです。例えば血圧が変動する、めまいや頭痛など頭部にもともとある症状の頻度が高くなる、うつ的な気分を感じやすくなる、気分の変動が大きくなる、五月病などがあります。 それは、冬から春に向けての身体の準備が整っていなかったために、春になって気温が一気上がることで、体内の流れ:気の流れ、血液の流れが大きく変わり、それが自律神経を過度に刺激してしまい、身体が驚いてしまうために、色々な症状が起きやすくなる、と考えることが出来ます。

そのような体調の変動が起きなよう、動物達や虫達と同じように、冬の間、冬眠したり蛹にもなれません。 ならば、どうしたら良いでしょうか?

極力寒さの影響を受けないように身体を温め、雪の処理をする身体の疲労を気遣い早くその疲れを取ることを考え、そして疲労回復のための睡眠時間の確保と質の良い睡眠のために、身体をいたわる食生活をすること。 シンプルなようで、そこには大事な意味が隠されています。 啓蟄を思う日に、ムーミンにも教えてもらうことが出来ましたので、養生スープ生活その3は、『森のスープ』と題して野菜をたくさん使いましたクリームシチューを作ってみました。

今回食材として用意したものは、

● マッシュルーム (適量) ● 越冬キャベツ(適量) ● 芽キャベツ(適量) ● 玉ねぎ(適量) ● 男爵いも(適量) ● 鶏肉(適量) ● にんにく(少量) ● クリームシチューのルウ(レトルト:5人前分) 以上です。 森のスープ:材料投入 鍋(今回はルクレーゼを使用)にオリーブオイルと刻んだにんにくを入れます。(やや強火) にんにくの良い香りがしてきましたら、鶏肉を入れて、全体に火を通します。(中火) そこにカットした玉ねぎ・男爵いも・マッシュルームを入れて、軽く炒めます。(中火のまま) 水を入れはじめます。途中でキャベツと芽キャベツを加え、更に水を足して全体が浸るようにしましたら、蓋をします。(中火のまま) 噴いてきましたら、蓋をとり(弱火にします)、クリームシチューのルウを入れてコトコト煮込み、ルウが溶けたら出来上がりです。

今回の材料のうち、越冬キャベツ・玉ねぎ・男爵いも・マッシュルームが北海道産の野菜です。 マッシュルームは“とかち(十勝)マッシュ”を使いました。こちらの商品名がついたマッシュルームは茶色と白色があり、特に茶色のブラウンマッシュは炒めた時の香りがとても良く、シンプルにきのこチャーハンやきのこパスタでも楽しめます。 芽キャベツは横浜産です。親戚が家庭菜園で採れたものを送ってくれました。春野菜ですね。この芽キャベツ、少し苦みがあります。この“苦み”、じつはとても身体に良いのです。このお話は次回に詳しくご説明致します。 最近娘(2歳4ヶ月)が台所でお手伝いをしたい(参加したい)とよくやってきます。 今回はキャベツの投入を手伝ってくれました。キャベツを小さく割いてくれています。 森のスープ;くみ手伝い 啓蟄とはいえ、今日の札幌も時折吹雪く予報が出ております。 栄養のある食事(スープなど)を摂り、夜はお風呂で筋肉をほぐせるまでゆっくりあったまり、ほぐれた身体で睡眠を十分にとって下さい。 いづれも日常でされていることかもしれませんが、春に向けた養生を意識すると、1つ1つに意味があり、とても大切なことだと、二十四節気の啓蟄は、またムーミンは教えてくれています。

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