
2018年 春の講座1回目開きました
前日より日中20℃を越える陽気が訪れた札幌です。
辛夷(こぶし)、連翹の花も咲き始めました。
春の陽気を感じる今日、春の講座一回目を開催致しました。
1月に開催しました冬の講座に続き、“身体に注目”がテーマです。
1月の講座では、“疲れ”の感覚について、身体の疲れ・心の疲れ・脳の疲れで違いを感じることが出来るかどうかを受講者と私で自分の体験を話し合いました。
二回目の今回は、“ヒトの身体の進化”から身体をとらえてみたいと考え、解剖学者:三木成夫先生の考え方を受講者の皆様と一緒に学びました。
ヒトや生命への深い眼差しとあふれる愛情を解剖学を通じて現在の私達に語りかけてくれる三木先生の説明は、漢方の古典の本『黄帝内経(こうていだいけい)』を読み解く時の手助けになることを今回始めて感じました。
『黄帝内経 素門:第二篇 四気調神大論』に春の養生法が載っております。
春三月 此謂発陳。
天地倶生 万物以栄。
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広歩於庭 被髪緩形 以使志生。
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春の養生法で紹介する度にご紹介していた漢文であるにもかかわらず、改めて今回読んだ時に「広歩於庭 被髪緩形 以使志生」が自分の中に入ってこないことを感じました。
どうしてだろう?
現代に暮らす私達は“身体を動かす”ことを“考えると”、“身体を鍛える”ことにつなげてしまいやすいように思います。
つまり筋肉に負荷をかけること。そして運動する際にも身体にフィットした運動着を身につけることも一般的です。
また室内で運動できることが運動を持続できる条件と考えやすく、ジム・ヨガ・ストレッチはその代表に思います。
ですが、黄帝内経では、
「・・・春の養生は、広く庭を歩き、髪型も衣服もゆったりとした状態にすることが大切です。そのように行うと心が突き動かされるような心情を感じることができます・・・」とあるのです。
なぞは深まるばかり。
その答えの1つを三木成夫先生が提示して下さったように私は思いました。
◎私達は誰しも母親の子宮にて受胎した時に脊椎動物の進化の過程を経ていること(5億年の歴史)
◎自然に抗わず共に生きて来た生物の器官は今の私達の身体にも存在していること(身体を植物性器官と動物性器官に分ける考え方)
◎進化の中で、人類は心臓と脳がより著しく変化をとげ、心臓から“心情”が生まれ、脳からは“精神”が生まれたのではないか。
◎心情と精神の関係は平等から精神が勝る状況になってしまった。それでも3000年前〜1000年前の私達の祖先は何とか心情を取り戻そう、もしくは心情と精神のバランスをとろうともがいてきた。その事実を歴史や美術品から学ぶことができる、ということ。
◎身体を健康に保ちたい、という願いは万人の常にある願いであるけれどもそう簡単なことではないことは分かりました。ですが、身体を健康を保つためのヒントを多く得られたように思います。
講座の後半は薬茶作りの体験
“はらわたが喜ぶ薬茶”を作りましょう〜(笑)、と始った講座後半。
身体の健康を考えた場合に、“なにを食べるのか”は日々個人個人選ぶことができます。
薬茶もその1つ。
自分の今日の体調や体質、そして飲んだ時に脳ではなく、はらわた(内臓)が喜んでくれるようなイメージで各自2種類の薬茶の内容を決めて、作っていただきました。
このように出来上がりました。
ご自宅で薬茶をいただきながら、はらわたの感覚を意識していただけたらと思います。
講座二回目は4月24日(火)11:00〜13:00に行います。
席に残りがございますので、興味もたれた方は当日で構いませんので直接薬局にご来店下さい。(電話011-802-9405)