冬の前にからだを準備「大豆ハンバーグ」と「黒豆蒸しパン」 〜 11月薬膳講座終了
本日、11月の薬膳講座を行いました。粉雪が散らつく中、3名の方が参加して下さいました。その内一名の方は妊婦さんで、予定日が今週末なのです。安産をお祈りしております!
本日のテーマは「冬の前にからだを準備」。
冬の養生の基本は、からだもこころも使い過ぎないこと。大事に大事に春までエネルギーを温存しておくことです。まるで大事な秘密をかかえているかのように、静かに静かに・・・。
といっても現代人のわれわれは家にこもっている訳には行きません!
冬に五臓の中で、特に大切にしたいのは“腎”です。腎臓は血液を濾過してお小水をつくり、膀胱に送っていますが、それ以外に漢方での“腎”のはたらきは
- 体温の調節
- ホルモンバランスをとる
- 生命力の源である“精(せい)”を温存している
などです。
“精”はからだのあちこりで元気や気や血が不足した時、姿を変えて供給してくれるですが、緊急事態が落ち着いたとしても、すぐに使った精を元の貯蓄率に戻せるものではありません。ですから腎精(じんせい)は使わないよう、消耗しないよう、大切に一生かけて温存していくことが大切です。
今回腎を守る薬膳として選んだ素材は、北海道原産の大豆と黒豆。ともに新豆が出回っております。
大豆は腎に入るわけではありませんが、“血を造る”サポートが出来る素材であり、先程の精を消耗してしまわないように、血を補給することで精を守るということから、間接的に腎を守ることが出来ます。
また、腎に入る豆類としては黒豆と小豆があり、小豆は特に浮腫の症状がある方に向いています。(但し、健康診断で腎機能は異常なしと言われる方の浮腫)
大豆を使ったハンバーグを作りながら、「これは精進料理!」
そう、材料に動物性を使わずとも作れるのです。大豆の水煮も売っていますので、フードプロセッサーがあればすぐに出来ますが、今回は丁寧に豆を水で戻し、時間をかけて煮ました。(黒豆もしかり)
黒豆は甘煮にして、蒸しパンの具に。お正月、黒豆を作る家庭は多いと思いますが、飽きてしまった時の一品としていかがかと思い、作ってみました。
じっくり自分で煮た大豆のハンバーグはほのかな甘みがあり美味しかったです。
ここで参加のお客さんの実家の農家のお話。以前はストーブの家が多かったので、豆を入れた鍋をストーブの上に置いておくので、差し水をしながら作ってもそれほど手間とは感じなかったと。
また、売っている以上の種類の豆をどの家も自家用に栽培していたので、見た事ある豆が多いとのこと。(講座の中で、豆の種類別写真をお見せした際に)
ストーブが灯油になり、各家庭でも家族の人数が少なくなり、調理の時間もそれほどかけられなくなってきましたが、時々で良いので地元で採れた豆を道の駅でみかけた時には、購入して煮豆を作る余裕をもてたらいいな~と感じた薬膳講座でした。
来月の薬膳講座はお休みします。次回は1月20日(水)です。