大寒に、薬味(香辛料)で薬湯はいかがしょうか
昨日は大寒でした。
札幌は、先週最低気温が-8℃とこの冬一番の寒さを迎え、19日(火)全国的な降雪の際、札幌も一晩で58cmの積雪となりました。
先週からお客様よりどうも体調がすぐれない、との声を聞くようになりました。
週末からまた寒さがぐっと厳しくなりますので、お身体の手当をしたいですね。
そこで今日は、ご自宅の台所にあるかもしれない薬味(香辛料・スパイス)を用いた薬湯をご紹介したいと思います。
私の自宅にありました薬味は
・丁字(ちょうじ:丁香、クローブ)(写真下)
・山椒(さんしょう:花椒でも可)(写真上)
でした。
薬味と呼ぶものには食品としてだけではなく量を多めに使いますと薬としての効果が得られるものため“薬”味と呼びます。もちろん薬湯にもお使い頂けます。
<丁字>は、
胃腸をあたため、吐気止め・下痢止めの効果もあります。しゃっくり止めの『柿蔕湯(していとう)』に入っております。
精油成分としてオイゲノールを多く含み、抗菌作用、鎮痛作用があります。オイゲノールには気分を高揚させる働きもあるそうです。
<山椒>は、
胃腸をあたためます。同時にお腹が冷えて腹痛が激しい時、痛み止めとして使われます。『大建中湯(だいけんちゅうとう)』という処方の中に入っており、病院で大腸の手術を受けたあとによく処方される漢方薬です。
山椒の粉末を舌に乗せますと、ピリリとした刺激を感じます。サンショオールという辛味の成分です。日本ではウナギの蒲焼きに振りかけたり、中国四川の麻婆豆腐にも唐辛子以外の辛さとして使われます。
山椒も香り高い薬味で精油が多種(ヘキセナール、リナロール、シトロネロール、トリデカノン、ゲラニオール)含まれておりますが、産地により内容が異なるようです。
山椒の香りは大脳や自律神経に働きかけるため、香りもまた内臓に働きかけ効果が得られます。
丁字と山椒の薬湯を作ってみましょう。鍋の大きさにより水は500cc前後入れます。弱火にかけます。
沸騰後10分後の色です。丁字と山椒の香りを楽しみたい場合は、5分で火をとめて頂ければと思います。
濾します。
湯船に注ぎ入れます。
私は今回丁字の方を多めに入れましたので、ほのかに甘い香りが浴室にただよいました。注ぎいれましたら、すぐにお風呂に入って下さい。
もしすぐに入れない場合、また二番目に薬湯に入る方にも共通しますが、湯船の温度が多少下がっていても、薬湯に入っていただくことで、薬湯成分がお肌にのります。(洗い流さずにあがって下さい)それだけでも湯冷めが通常の湯船よりおきにくいように私は思います。
明日土曜日(23日)は最低気温−7℃の予報が出ておりますので、週末薬味の薬湯お試し下さい。
丁字・山椒以外の薬湯についてはこちらをご覧下さい ▶▶『いちやく草の薬湯』