柿蔕湯(していとう)のおはなし
『済生方』という古典に載っている、しゃっくりを止める漢方薬です。
柿蔕(してい=柿のへた)、丁香(ちょうこう=丁字・クローブ)、生姜(しょうきょう、しょうが)の三種類の生薬が入っております。
柿蔕は“苦温降気(くおんこうき)”と言いまして“しゃっくりという気が逆流する症状を下に降ろして沈める”働きがあるために、しゃっくりを止めることが出来ます。
しゃっくり(吃逆)は、横隔膜のけいれんによって起きる症状ですが、日常生活で起きるしゃっくりは一時的なものが多く、主に食べ過ぎにより消化器に負担がかかった際に起きます。この場合、消化がすすみますと自然にしゃっくりは止まります。
当店にしゃっくりのご相談でご来店されるお客様は患者さんのご家族の方がほとんどです。患者さんご自身は入院されている場合が多く、入院中の病院から紹介されて『柿蔕湯』や『柿のへた』をお探しに見えられます。
残念ながら、病院での治療では止まらないことがあるようです。
患者さんの状況を伺いますと
・頭部の手術を受けられたあと
・消化器の手術を受けられたあと
・胃ろうの処置を受けられたあと
にしゃっくりが起き、一日中止まらないそうです。
そうなりますと、眠ることも出来ず、食事もままならず、患者さんがしゃっくりにより衰弱するような状態になるため、お求めに見えられます。
『柿のへた』をお求めの場合は、ご家族の方がご自宅で煮出したものを病院へご持参いただく必要があります。
それが難しい場合には、エキス顆粒になっているタイプが便利です。
〜1包をお湯で溶かして服用します(くせはないお味です)〜
『柿蔕湯』には、柿のへた以外にしゃっくりを止めるために効果的な生薬が配合されております。
丁香:温胃散寒(身体をあたためてしゃっくりが続く原因の冷えを取り去ります)
生姜:散逆疏邪(しゃっくりが続く原因となる胃腸の冷えを追い出し、同時に胃腸の動きを整えます)
3種(柿蔕・丁香・生姜)の生薬によりしゃっくりを止めるために相乗効果が生まれます。『柿蔕湯』エキス顆粒タイプは医薬品(効能効果:しゃっくり)です。
3日分(9包入り)で1,296円(8%税込み)
『柿蔕湯』に薬用人参(やくようにんじん)が加わると『丁香柿蔕湯』(古典:症因脈治)という更に体力が落ちた方に向くしゃっくり止めの処方になります。
患者さまの体質・体調に合わせて生薬を用いることも大切です。
止まらないしゃっくりは、本当に辛い症状ですので、ご家族・ご親戚にそのような症状が出た方がいらした場合は、『柿のへた』のことを思い出していただけますと嬉しいです。
公開日:2015/11/15