冬に向けての準備
今日は立冬(りっとう)です
本日:11月8日は、二十四節気の『立冬(りっとう)』です。
こよみ便覧には「冬の気たちそめて いよいよ冷ゆれむなり」とあります。
今日からこよみの上で冬の季節がはじまります。
冬の準備はじめています
季節を感じにくいと言われる街中でも、やはり冬への準備は特別ですね。
札幌市内は10月25日に初雪が降り、お庭の木々は冬囲い(木や植物が雪の重みで折れないようにするための作業)が終わっているご家庭がほとんどです。
街中でも街路樹の枝伐採作業が続いており、早い場所では砂箱(凍った路面に撒くための砂や小石を入れた袋やペットボトルが入っている箱)の設置も済んでいます。
私も冬の準備を始めました。
干し物用のネットが100円ショップのSeriaセリアにありました。こぶりで二段のところがちょっと使ってみようと思った時に、ちょうど良いと思いました。こちらにの上段に・・・。
〜みかんの皮〜
食べたみかんの皮を干しました。
みかんの皮を乾燥させて、薬湯(やくとう)の原料にしようと思います。
みかんの皮の生薬名は「橘皮(きっぴ)」です。煮出した薬茶を服用しますと、胃腸の動きを助け食欲低下や消化不良の症状をやわらげてくれます。
機能性胃腸症や機能性ディスペプシアに使われている『六君子湯(りっくんしとう)』という漢方処方がありますが、こちらに使われる生薬は「陳皮(ちんぴ)」です。
「橘皮」も「陳皮」も同じものですが、陳という字は古いという意味ですので「陳皮」にはみかんの明るい色は残っていません。10年くらい寝かせて保存しますと、皮が明るい色から茶色に変わり良質の陳皮が出来上がります。
みかんの皮を薬湯に使いますと、みかんの芳香が塞ぎがちな気持ちをほぐしてくれます。またお湯だけの湯船にくらべて、保温効果が長くなります。
薬湯でみかんの皮を使う時には、香りがたつ方が良いので、皮もたくさんあると効果的です。立冬からみかんの皮を集めると、冬の間みかんの皮のお風呂を何度も楽しめますね。
〜柿のへた〜
柿の“へた”は利用できるもの、とご存知の方は少ないかと思います。
生薬名では「柿蔕(してい)」と呼び、しゃっくりを止める特効薬です。「柿蔕・丁字(ちょうじ)=クローブ・生姜(しょうが)」をブレンドしますと、『柿蔕湯(していとう)』という漢方処方になり医薬品になります。しゃっくりを止める効能効果が強くなります。
何気ないしゃっくりですが、体力が落ちた高齢の方や脳の手術を受けられた方が、一日中止まらないしゃっくりに悩まされることがあります。
そのような時に、柿の“へた”は有効です。
普段は皮とともに捨ててしまう“へた”ですが、西洋医学でも手立てのない症状に効果を発揮します。
(写真:左より、生の柿・私が乾燥させた柿のへた・薬局で常時販売している柿のへた)
〜かぼちゃの種〜
干し物用ネットの下段で乾燥させて作りましたのが、かぼちゃの種です。
できあがりはこちらです。(右がかぼちゃの種、左がみかんの皮)
坊ちゃんかぼちゃの種を使いました。
種を乾燥後、殻を割って中身をいただくと、冬のお茶請けに合うおやつになります。
魅力は栄養です。
ビタミンE・ビタミンB1・ビタミンB2・カルシウム・鉄分・タンパク質が含まれておりますので、お肌・骨・血液の健康維持に役立ちます。
またリグナンという化合物も含まれており、リグナンは年齢による排尿障害を改善するとのことで、ペポカボチャの種が使われた健康食品がたくさんあります。
ペポカボチャはお料理にはあまりむきませんが、種の殻がないそうで種を利用したい時にはペポカボチャが良いようです。普段いただくカボチャは種の殻は硬いのすが、カボチャ料理も美味しく食べたいので、皮は緑色~黒っぽい色のかぼちゃがおすすめです。
旬な食材には、次の季節(冬)に私たちの身体をたすけてくれる力があること知りますと、食べ物がどれほど私たちの身体に大切なのかを再確認できますね。
薬局の店内で使い方のご紹介も今後して参りますので、ご来店の際にどうぞご覧ください。