婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)のおはなし
北海道出身(室蘭市)のファッションモデル美香さんがかつて婦宝当帰膠を美容と健康のために飲まれていることを雑誌で紹介されたことがあります。また妊娠を望まれる方向けの雑誌ではよく紹介されており、比較的良くメディアに取り上げられています。
この婦宝当帰膠は、「当帰養血膏」という処方をもとに考えられたシロップ状の漢方医薬品です。
婦宝当帰膠の効能・効果
<更年期障害による下記疾患>
頭痛・肩こり・貧血・腰痛・腹痛・めまい・のぼせ・耳鳴り・生理不順・生理痛・冷え症
以上のように、婦宝当帰膠は主に婦人科の症状に対して使う場合が多いです。
古典の処方ではないので、漢方的に婦宝当帰膠を分析する場合には、配合の生薬の種類と各配合量から考えます。
婦宝当帰膠に含まれている一番多い生薬は当帰(とうき)です。次に多い生薬と比べても15倍の多さで入っています。
当帰には以下の様な3つの働きがあります。
(1) 補血(ほけつ)作用
漢方的に貧血に対して血液を補うよう内臓に働きかけてくれる働きのこと
(2) 活血(かっけつ)作用
漢方的血行障害に対して、滞っている血液を押し動かし、正常な血流を取り戻す働きのこと
(3) 潤腸(じゅんちょう)作用
腸に貧血があることで乾燥して便秘になっている場合に、腸を潤して便の通りを良くする働き
当帰の配合量が多い婦宝当帰膠の場合には、(1)より(2)の活血作用や(3)の潤腸作用の効能の方が出やすいと考えます。
「四物湯(しもつとう)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」との比較
婦宝当帰膠とよく比較される漢方処方に「四物湯(しもつとう)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」があります。
「四物湯」は当帰・芍薬(シャクヤク)・地黄(ジオウ)・川芎(センキュウ)の4種類の生薬から構成される漢方的貧血の改善に使われる基本処方です。
婦宝当帰膠にも「四物湯」の4種類の生薬が配合されているので、似た効果を期待できそうですが、四物湯は補血(ほけつ)作用が強い芍薬と地黄の配合量が多いのに対し、婦宝当帰膠は当帰が突出している処方なので、四物湯的、漢方的貧血にも少し対応できますが、血行障害の方が得意であると考えられます。
次に「当帰芍薬散」と比較してどうかと言いますと、当帰芍薬散は漢方的貧血の原因が胃腸の弱さにあり、貧血と同時にむくみがある場合に使われます。重なる配合生薬はやはり多いのですが、婦宝当帰膠には当帰芍薬散の特徴である“白朮(ビャクジュツ)”という胃腸をケアする生薬が入っていないため、やはり当帰芍薬散と似た効果は期待出来ないと思います。
婦宝当帰膠はどんな場合に良いのか?
以上のことを踏まえ、婦宝当帰膠はどんな場合に良いのか?ですが、私は婦宝当帰膠には次の3つの大きな特徴があると思います。
- 当帰の配合量が多い
- 阿膠(アキョウ)という動物性コラーゲンが配合されている
- 黄耆(オウギ)、党参(トウジン)という補気作用のある生薬が配合されている
先に述べたように、当帰には補血作用という血液を作り出す作用もありますが、たくさん使いますと婦人科の内臓(子宮・卵巣)の血行促進の力の方が強く出ます。
ですから、生理痛が強い方、生理の出血中に塊が出たり経血が黒っぽい方には、当帰が多い婦宝当帰膠の方が役立ちます。
動物性生薬「アキョウ」
「四物湯」「当帰芍薬散」は植物性の生薬で作られる処方ですが、婦宝当帰膠に含まれる「アキョウ」はロバさんの皮の内側にあるコラーゲンのことで、動物性生薬です。
アキョウには強い補血作用があります。また補陰(ほいん)作用という身体の潤いを補う働きもあるので、婦宝当帰膠を服用してお肌がプルプルになるという声を聞くのは、こちらのアキョウの効果かと思います。配合量は決して多くはありませんが、動物性生薬の力なのかと思います。
気を補う「オウギ」と「トウジン」
血液に関係する生薬が多い中で、婦宝当帰膠には気を補う働きの薬草「オウギ」と「トウジン」が入っていることには意味があります。
漢方では、血液は血管の中で気の力で動かされていると考えます。
もし漢方的貧血があった場合、血液に関係する生薬だけの漢方薬を長期に使うと「身体が疲れたり、こわいと感じる」方が時々いらっしゃいます。これは血液中の気が不足している時の症状です。
その場合基本処方では、気血を補う「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」のようなものを使いますが、少なくとも婦宝当帰膠を服用することで、気を補う力は弱いですが、気を消耗させることはありません。
当店が「婦宝当帰膠」をおすすめする方
まとめると当店で婦宝当帰膠をご紹介する場合は、次のような方におすすめしております。
- 漢方的貧血はあるけれど、どちらかと言うと血行障害の方が強い方(この体質を“瘀血(おけつ)”と言います)
- 「生理痛(腰痛・腹痛)」「生理不順(遅れる)」「慢性的肩こり(もむともみかえしが起こり易い方)」
- 血行障害による「冷え症」(元気が足りなく冷え症がある方は、別の漢方薬をご紹介します)
服用して、良い副作用として便通がよくなったり、お肌がしっとりする方もいらっしゃいます。良くない副作用としては、胃もたれ・便がゆるくなることが考えられます。これは胃腸が弱い方、もしくは胃腸に湿気がたまっている別の体質が紛れている方に起こり得ます。
婦宝当帰膠の飲み方
< 計量スプーンを使った場合 >
計量スプーンが入っています。こちらでラインまで計量します。 | |
約半分くらいに計量ラインがありますので、そこまで。4ml分。 | |
カップに移します。 | |
飲み易いようお湯でお好みの量入れて薄めて下さい。 | |
完成です。 |
< 婦宝当帰膠専用カップを使った場合 >
当店では、ご購入の方にパンダカップをプレゼントしております。 | |
こちらは婦宝当帰膠専用カップで底に計量ラインが入っていますので、計量スプーンを使う必要はありません。 | |
カップに直接注ぎます。 | |
ラインまで入れたらストップです。 | |
お湯を注ぎ、お好みの濃さにして下さい。 | |
どちらで服用頂いても効果に変わりはありませんが、パンダカップで服用しますと楽しい気分で飲めます。 ※ パンダカップが品切れしている時はご了承下さい。 |
お客様の婦宝当帰膠体験談
S.G 様 (44歳)
< 婦宝当帰膠について>
元来婦人科でトラブルの多い私でしたが、月経過多であったり出血過多であったりしても貧血とは無縁に過ごしていたつもりでした。
長女を出産して8年後、第二子を妊娠中、人生で初めて血液検査が貧血でひっかかってしまいました。その時は鉄分の錠剤を処方されてその後出産。それから育児で毎日過ごしていくうちに、ふらつくことが多くなってきたのです。
立ちくらみだけではなく車のトランクを閉めるために顔をあげると「フラッ」。子供を抱いていても足元に自信がなくなりました。車もめまいのような症状がおきるため怖くて運転できなくなりました。
あまりに続くため病院で検査をしましたが成分は貧血ではありませんでした。一日の中で何度も起きるふらつきがストレスになってきました。その上体がだるくて朝も起きにくくなっていきました。
そこで、いちやく草へ相談に行きました。そのときには、最初にふらつきが気になりだしてから数ヶ月過ぎていました。いろいろな説明を受け婦宝当帰膠をすすめられました。(私はふらつきだけではなく足の極端な冷えなどもありました~)
試飲したときに体が温まるような感じがして、おいしいと思ったことを覚えています。今は生理中は特にですが、お茶と同じようにホッとしたいときや、体が冷えていると感じたときに飲むようにしています。お茶とは違い体の中の温かさが持続しました。
鉄分のサプリなどは飲んでいませんが、飲み続けていてふらつきもなく、車の運転中にもめまいのような症状がでる不安がなくなりました。朝も起きられようになり、今では毎朝早くから子供と走っています。
公開日:2013/09/09
最終更新日:2015/09/24