私が産後に気をつけたこと 〜その1〜
現在産後七ヶ月。思い返してみると、あれもやっておけば、これもやっておけばと思いますが、身体のケアや漢方薬を飲む瞬間さえなかった時があったというのが実感です。それでも自身の身体で試したこと、ご報告したいと思います。
帝王切開で出産したため、お腹の傷のケアも考えました。
産後の1週間は
“気”を補うために『朝鮮人参(ちょうせんにんじん)』
傷の回復を早めるため『田七人参(でんしちにんじん)』
を服用しました。
出産したあとはとても身体が疲れます。これは漢方では“元気”が出産時に大量に使われたためと考えます。人によっては出産時に出血が多かったり、なかなか悪露の出血が止まらない方もいらっしゃいますが、その場合は更に“気”が身体から漏れてしまっていると考えますので、急いで『補気薬(ほきやく)』を使う必要があります。
産後はまず妊婦さんに眠ってもらって身体を休めることの意味はここにあります。
産院によっては産後すぐに授乳の練習がはじまります。赤ちゃんもお母さんも慣れない同士(初産だった場合)、上手くなるには日々是練習ですが、赤ちゃんに吸ってもらうことで母乳が出るホルモンがたくさん分泌されるようになりますので、産後なるべく早くからの授乳トレーニングは大切なようです。
もう一般的になってきましたが、母乳=血液です。
赤ちゃんに母乳をあげることで、母親は病気ではありませんが、慢性的な血液消耗状態になります。
これを漢方では、“血虚(けっきょ)”と呼びます。
もし出産前から血虚体質があった場合は、母乳の出が悪かったり、母乳が止まってしまうことも考えられます。
授乳中の血虚ケアの基本は、血液の原料になる食べ物をたっぷり摂ることです。ミネラル・良質のタンパク質を消化の良いようあまり油を使い過ぎずに調理できる料理が良いです。
最近“餅”は乳腺を詰まらせる原因になるとのことで、食べ過ぎ注意食品になっているようですが、精製されていない玄米もちは大丈夫なようです。問題は精製された餅米がよくない、ということなんですね。
そして授乳中の血虚ケアの漢方薬には、『補血(ほけつ)』の働きがあるものを使います。
当店では『婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)』や『参茸補血丸(さんじょうほけつがん)』がおすすめですが、私の場合は産後が冬期間だったため、温める作用のより強い『参茸補血丸』にしました。
『参茸補血丸』の他に良い点は、『補血』だけでなく『補腎(ほじん)』の働きも兼ねていることです。
漢方では、“腎臓”は生殖機能の要の内臓と考えていまして、出産に伴い腎臓の疲れが出てくる方がいらっしゃいます。
たとえば、
- 『補気薬』を服用しても、取りきれない疲れ
- 産後三ヶ月程からはじまる抜け毛の量が多かったり、期間が長い方
- からだの冷えが産後により強くなった方
- 小水が近くなったり、漏れやすくなった方
です。
また
- 初産が35歳以降の方
も腎臓に疲れが出やすい傾向があります。腎臓に疲れが出る方を漢方的に『腎虚(じんきょ)』と呼びますがそのお話は、、、、、次回に続きます。