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リンドウ(リュウタン=竜胆)の季節です

2013/10/14

IMG_1916札幌の秋の空模様は忙しく変わっています。一日雨が降ったかと思ったら、翌日は秋晴れになって、また翌日雨の日と交互に。

秋のお花にリンドウがあります。お花屋さんで売られているリンドウは、エゾリンドウの園芸種類だそうです。

そのエゾリンドウ、増え続けるエゾ鹿の食害で減少してきているとか。山道を歩いていると見かける山野草ではありますが、段々稀少になるかもしれませんね。

このリンドウの根は漢方薬の原料として使われます。リュウタン(竜胆)と呼びます。

 

リュウタン(竜胆)とは

漢方を勉強する時に、薬草1つ1つを学ぶ教科があり、“中薬学(ちゅうやくがく)”と言います。

その中薬学の教科書にはリュウタンは清熱薬(せいねつやく)の中に分類されており、以下のように記載されています。

<竜胆草>

別名:竜胆・胆草

基原:リンドウ科リンドウ、または同属植物の地下部

性味(せいみ):苦・寒

帰経(きけい):肝・胆・膀胱

効能:清熱燥湿(せいねつそうしつ)・瀉肝降火(しゃかんこうか)

中薬学の本で、性味が苦(く)、寒(かん)と書かれている、通称“苦寒薬(くかんやく)”に分類されるものは、身体の中で起こっている炎症を抑えたり、炎症によって発生する熱を冷ましたり、炎症の元になっている毒(雑菌など)を排泄する働きがあります。

どこの炎症を抑えるかと言いますと、中薬学に載っている“帰経(きけい)”をみます。肝・胆・膀胱と書かれています。

そうしますと、リュウタン(竜胆)は、肝臓・胆嚢・膀胱に届きやすい薬草であることが分かります。

竜胆が入っている漢方薬(その1、膀胱炎に)

1つは“竜胆”が主役(君薬くんやく、とも言います)で入っている『竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)』という処方があります。

効能・効果は「比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向があるものの次の諸症:排尿痛・残尿感・尿のにごり・こしけ」です。

“こしけ”とはおりもののことで、女性ですと排卵の時期や月経の前後でよくみられるものですが、『竜胆瀉肝湯』を使いたい場合のこしけは、量が多く(おりものシートを使いたくなります)、シートにつく色が透明ではなく黄色系、匂いもあります。そして何より辛いのは、かゆみを伴う点です。漢方的には、“湿熱(しつねつ)”というものが患部にあるためかゆみが起きると考えます。

“排尿痛”は、膀胱炎が起きた時に出てくる症状の1つです。排尿する際やし終わったあとに、尿道に痛みや違和感を感じます。

膀胱炎の際には『猪苓湯(ちょれいとう)』という別の漢方薬と使い分ける場合が多いです。

『猪苓湯』の効能・効果には「尿量が減少し、尿が出にくく、排尿痛あるいは残尿感のあるもの」となっています。

両者の効能は似ているので、違いがわかりにくいですよね。

簡単に説明しますと、炎症の程度が軽い(痛みまで感じない)と『猪苓湯』で、痛みを感じたり、上記のようなおりものが多い時には『竜胆瀉肝湯』を使います。

膀胱炎は女性に多い疾患です。冬に相談にいらっしゃるお客様が多いことから考えても冷え症や気温と関係します。体力が落ちている時、発症することが多いので、冬に出産予定の方は、身体を冷やさないよう充分お気をつけ下さい。

もし産後膀胱炎になった場合、授乳中でも『竜胆瀉肝湯』・『猪苓湯』どちらも服用出来ます。

当店では、『竜胆瀉肝湯』(商品名:瀉火利湿顆粒)一日分3包330円(イスクラ産業)、『猪苓湯』エキス細粒1日分3包240円(東洋薬行)で小分け販売しております。

竜胆が入っている漢方薬(その2、関節痛)

2つ目に“竜胆”が入っている処方に『疎経活血湯(そけいかっけつとう)』があります。

17種類の薬草で構成されており、その中に竜胆(りゅうたん)が含まれます。

効能・効果は「体力中等度で、痛みがあり、ときにしびれがあるものの次の諸症:関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛」です。

慢性関節痛や神経痛のケアの仕方は?と問いますと、「痛みがある患部を冷やさず、どちらかというと温めるようにする」と答える方が多いのではないでしょうか。

『疎経活血湯(そけいかっけつとう)』も構成する17種類の薬草を見渡すと温める漢方薬です。

そこになぜ“寒性”の“竜胆(りゅうたん)”が入っているのでしょうか?

漢方薬には、“薬の方向性が寒か熱の一方に偏り過ぎないために、あえて真逆の薬草を用いる”という考え方があります。

疎経活血湯の場合ですと、それがまさに竜胆です。

その関節痛が“冷え”からきているからといって温める薬草だけを使いますと、患部にもし炎症が残っていたり、もしくは炎症が新たに発生(関節は日々使う場所ですので)した時、その炎症を温めることでより悪化させてしまう可能性があります。

寒性の薬草:“竜胆”が入っていることにより、もしもの場合、炎症の悪化を防ぐことが出来ます。

『疎経活血湯』という薬の中で、竜胆は地味な存在ですが、入っている理由にはとても深い意味があるのですよ。

こういうことを漢方を学ぶ中で知った時、喜びを感じてしまうのは、漢方や中医学が好きだからでしょうか。

こちらの『疎経活血湯』、先日出産と関係した(と私は考えた)関節痛に用い、功を奏しました。

ご相談のお客様は出産とは関係しているとは思われていなかったのですが、よくよくお話を伺うと5人出産された中で、産後一ヶ月で腰だったり膝だったり、場所は違えど関節が痛くなる症状が過去にも出ていることが分かりました。

出産は血液をとても消耗します。血液が消耗したままですと筋肉や腱が弱くなる(維持出来なくなる)と漢方では考えます。

関節は、周りにある筋や筋肉にとって守られています。その守りが弱くなることで、年齢的に若くても関節を傷めることは充分考えられます。

産後の関節痛は、漢方ではまず消耗した血液を回復させることから始めますが、同時に痛みをやわらげるために『疎経活血湯』も用いることが出来ます。授乳中でも服用出来ます。

当店では『疎経活血湯』エキス細粒(東洋薬行)1日分390円(1日2〜3回用に当店で分包致します)で小分け販売しております。

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